NPO法人信州きこえとことばのセンターやまびこでは、難聴児を持つ親御さん向けに、難聴児のきこえとことばを伸ばすために必要な方法や知識を共に学ぶことを目的に親セミナーを定期的に開催しております。
今回は2022年11月22日に開催されました4〜6才のお子さんをお持ちのご家庭に向けたセミナーでは「就学への準備」として家庭でできることについて、3名の先生にご講演いただきました。
1)就学後のお子さんの学校生活がどんなもので、難聴児にはどのような力が必要とされるのか?に関して、難聴児支援センターの原山先生より具体例を挙げてお話いただきました。
① 就学の1年前ぐらいから始まる就学相談のスケジュール、ここでは就学の場の選択やどのような支援が必要かなどを話し合う、② 小学校1年生の忙しい日々の生活スケジュール、③お子さんが直面する諸課題(きこえの補償、補聴機器の取り扱い方、言葉の課題、お友達との関わりなど)に気をつけ、就学後に担任と話をする機会を掴む、さらに支援会議の場を設けてもらうことで、担任を含めたお子さんに関わる人々の支援ネットワーク構築などに関してご紹介いただきました。
2)生活言語から学習言語への「渡り」に関して、みやがわクリニックの金澤先生からお話ししただきました。
①生活言語をレベルアップするためにお子さんとの会話の仕方の工夫、この会話で取り扱う言語課題、②話し言葉から書き言葉への移行を後押しする課題、③子どもが思考をする機会を逃さないための親の言葉かけ(どうして?なぜ?いつ? などの問いかけの重要性)、④話し相手の言葉の下に隠されている意図を汲み取ることの大切さ、⑤子どもが「わからない」時に、どう対応すべきか等、就学を迎え新しい言葉の世界に入っていくお子さん支援のポイントが満載でした。
3)セルフアドボカシーと合理的配慮に関してやまびこ理事長の北野先生からお話いただきました。
学校環境は、聞こえるお子さんを基準として整備されていますから、聴こえ難さをもつ難聴児にとっては決して楽な環境ではありません。教室内の騒音、小グループでの討論、大きな集団での行事など、「聴こえ」と言う点ではハードルが高く聴こえ難さが伴います。このような状況下で、難聴の子どもがどのように自己の意図やニーズを主張し、実現していくか、この点についてお話をしました。
当日の講演の内容を編集して会員向けページに公開致しましたのでご活用ください。
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